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優生思想とヒトラー

最近ネットニュースなどで優生思想に関する記事を目にする事が多くなった。
そもそも、農業や競走馬の分野などでは当然のように取り入れられている優生学が、人間に対しては突然禁忌になってしまう。それは当然の事で、人間は他の動植物に対して十分に脅威となり得る力を身に付けていて、これ以上個々が優秀になる必要性が薄く、個々の幸福を追求するフェーズに移行しているからだと思う。もちろん、国家間の諍いは残るものの、多くの国家間で、お互いに倫理観を共有して、最低限のルールを共有し合うくらいの状況は保てていて、そんな中で優先すべきは、唐突に駆除されたり、豊かに生きる権利を奪われてしまうような状況を避ける事であり、国家のポテンシャルを最大限に引き出す事はその次で十分というのが建前。(ただ、実際には、学歴や収入によるクラスターがあり、その中での同調圧などでやんわりと優生思想を押し付けられる事は往々にしてあるように思う)
そして、優生思想と同時に語られるのがヒトラーの政策。実際に起こってしまった最悪の顛末としてのニュアンスはあるものの、それを匂わせる要素があれば取り敢えず「ヒトラー」と言っておけば悪に変わる.. という安易な使われ方をしている事も多いように思う。そもそもヒトラーが勝ち続けて世界を制していたらヒトラーの思想が人間社会における強者の論理として主流になってしまっただろうし、実際に明らかに非人道的な軍隊という組織が未だに世界から無くならないのは、軍隊の力を行使して勝った国の論理が維持されているからだと思う。
ヒトラーを無条件に悪を認定する魔法の言葉にする事なく、なぜ悪いのかという事に正面から向き合って、フラットに答えを導き出していかないと、勝ったから正しい.. 負けたから悪い.. という、本質から逸れた目眩し的な論理に流されてしまう危険性もあるように思う。
人間に対する優生思想は良くない。それは、唐突に駆除されたり、豊かに生きる権利を奪われてしまう事が嫌だからで、そんな事をしなくても、人間は十分に動植物に対抗してゆける社会性や技術力を身に付けているからであって、ヒトラーと同じ考え方だからではない。

by uskpn | 2020-07-27 02:50 | 社会 | Comments(0)